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世界一国際的な環境で学ぶ!ルクセンブルク大学留学〜ニッチな海外留学㉑〜


こんにちは。

今回はルクセンブルクという小さな国での留学について紹介いたします。

ルクセンブルクは、世界一国際的な都市とされたこともある、グローバルな環境が特徴です。しかしながら、その存在をそもそも知らない方が非常に多いんです・・・ということで今回はルクセンブルクの留学の魅力を徹底解説します!

なお、今回は語学留学ではなく、大学・大学院留学をメインにお伝えしていこうと思います。語学留学の国籍の多様性は学校ごとで大きく異なりことと、大学の方がルクセンブルクの利点を活かせるためです。

ルクセンブルクについて

ルクセンブルクは、ベルギー、フランス、ドイツに面した非常に小さな国です。

日本語での正式名称は”ルクセンブルク”だそうです。英語表記はLuxembourgなのでルクセンブルグとしたいところですが、外務省も”ルクセンブルク”としているので、ルクセンブルクで間違いないでしょう。

国の大きさは2,586km。神奈川県が2,415kmですから、国としては非常に小さいですね。人口は約48万人、これは兵庫県西宮市や千葉県松戸市、大分県大分市とほぼ同じです。

ルクセンブルクの規模感はだいたい伝わりましたか?

 

ルクセンブルクはここがすごい!!

続いて、ルクセンブルクのすごいところを一挙大公開します!

なぜルクセンブルクに留学するのか?という理由にも繋がってきますので、必見です。

①経済生産性が非常に高い

ルクセンブルクの一人当たりのGDPは、およそ12万ドルで10年以上も世界一の座をキープし続けています。2位のスイスの1.5倍近い数字で26位の日本のおよそ3.5倍です。驚異的ですね。

ルクセンブルクは税率が低く、海外の企業が進出しやすい環境にあります。そのため、数多くの企業を欧州本社をルクセンブルクに置くなど、外資によって工業的な先進国へと進化しました。

そのため、世界中から有名な企業が集まり、スイスと並んでヨーロッパのビジネスの中心地となっています。

世界中から多くのビジネスマンが訪れる国際都市というのは、非常に魅力的ですね。

 

②人の多様性

冒頭でも述べましたが、ルクセンブルクは人種、国籍の多様性が大きな特徴の一つです。ルクセンブルクの国民の半数近くが移民とされています。

また、ルクセンブルクの公用語はフランス語、ルクセンブルク語、ドイツ語の3カ国とされており、加えてそのグローバルな環境から英語力も非常に高く評価されています。

なお、世界各国の英語力ランキングについては以前まとめた記事がありますのでご参照ください。

【最新】2021年度非英語圏の英語力ランキング!日本の英語力は世界で何位?Education Firstが公開しているEF EPI英語能力指数をもとに非英語圏の英語力ランキングをご紹介します。 最新の英語...

③教育のグローバル度!唯一の大学も超国際的

そして私が今回最も紹介したいルクセンブルクの特徴が、教育の国際性です。

ルクセンブルクの子供達は小さいころからフランス語、ドイツ語、英語などを学び、隣国への行き来もしょっちゅうあります。

また、ルクセンブルクは貧富の差が少ないことでも有名で、識字率(文字を認識できる人の割合)は世界一高いです。
小さな国であっても、こうした高い教育水準を備え、優れた人材を輩出し続けているのがルクセンブルクです。

そして、ルクセンブルクにある唯一の大学が、リュクセンブルク大学です。

この大学は、生徒の半分近くが留学生という圧倒的なグローバル度を誇っています。
これは世界中見渡してもかなり異例な数字です。

それではここから、このリュクセンブルク大学について詳しく解説します。

リュクセンブルク大学ってどんなところなのか

さて、こんな超グローバル国家の超グローバル大学、リュクセンブルク大学についてです。

リュクセンブルク大学はその多様性などが高く評価され、世界の大学ランキングで201位〜250位に位置しています。

この順位ではパッとしないと思う方も多いかと思いますが、日本でいうと東北大学や東京理科大学が、このランキングにおいて250位〜300位にランクインしています。

そう考えると、小国ながら非常に優れた教育機関を持っていることがわかりますね。

この大学では、フランス語やドイツ語で行われる講義の他に、全てが英語のコース、Taught in Englishコースもたくさんあります。

そのため、日本人の大学、大学院留学に適した環境です。
近年、英語で行われるコースは欧米でも数多く開講されていますが、結局は自国の生徒が多く、実態は講師が自国の言葉で補足するなど、留学生にとって最適ではない環境が発生しています。

その点、リュクセンブルクは多くの留学生を抱え、英語での授業に関して不安はありません。これがこの大学に非常に大きな強みです。

 

リュクセンブルク大学のTaught in Englishコース

どんなことが学べるのか

コースといっても、英語で学べる専攻がたくさんある、という認識を持っていただくのが正解に近いです。

現在、学部の専攻で14、マスター(修士)で33もの専攻が全て英語で行われています。

内容は多岐に亘り、経済、心理学、コンピューターサイエンスなど学べる内容はたくさんあります。

特にマスターのコースでは、Entrepreneurship and Innovationなどのビジネス関連の専攻も用意されており、一つの分野に絞って学習を進めていきたい方には最適な場所だと感じます。

また、建築のコースなどもあり、理系の方も学べるコースが揃っているのも大変大きな特徴です。

入学のために必要なこと(英語以外)

それでは、Taught in Englishの専攻の一つの例として,このEntrepreneurship and Innovationの応募の条件等をご紹介します。

まず、このコースは2年間で構成されています。
学費については、2019年度開始の年次では、1年目が5,000ユーロ、2年目が3,000ユーロとなっています。

ちなみにこの金額、他のヨーロッパの大学院と比べても結構お得です。イギリスの場合は2年で3倍以上かかることもザラにあります。

気になる募集要項ですが、まず初めにこの分野に応募するのに必要な動機をこれまでの経験で提示せよ、とのことです。以下の項目に当てはまる経験が必要になります。

(念のため導入文も)
For entrance to either year, evidence of an entrepreneurial motivation is required. This can be demonstrated by:

  • Founding an active company or social enterprise
  • Application for or holding of a patent
  • Applied for or owning a trademark
  • Winning or being shortlisted in a design competition
  • Being a named director on a new venture (up to 5 years old)
  • Having an article published in a recognised scientific journal or trade press publication
  • Created a product idea that was used or developed by a company
  • Candidates who believe they have significant innovation or entrepreneurship experience but in an area that is not specified above will have the opportunity to state this in the application.

要するに、起業や新たなアイデアの発掘について、目に見える成果や経験が必要になります。なので、全く初めから起業やイノベーションについて学ぶというよりは、経験を体系的にブラッシュアップさせるのがこの専攻の目的、とも取れます。

入学のために必要なこと(英語)

続いて英語力の要求ですが、ここに私が一番注目してほしい要素が隠されています。

For students who did not complete a bachelor’s degree at an American, British, Canadian or Australian college or university, proof of proficiency in English is required for admission. We accept the following test scores, as long as they are not more than 2 years old:

the TOEIC (Test of English as a Foreign Language) with a score of at least 600 on the paper-based test, 250 on the computer-based version, or 100 on the Internet-based examination with no less than 20 on each of the four test components.

the PTE (Pearson Test of English – Academic) with a minimum score of 70

the IELTS with a score of 6.5, with no less than 6 on each band score.

何が言いたいかと申しますと、IELTSとTOEICのテストの点数の要求に差が激しい!!ということです。

IELTSとは、イギリスのブリティッシュカウンシルが行なっている、主にイギリスやオーストラリアに留学する方向けの、アカデミックな試験です。
これはTOEICと違い、スピーキングやライティングのテストも含まれ、必要スコアとなっている6.5(各項目6以上)は、私の体感ではTOEICで900点以上と同等もしくはそれ以上です。

それが、TOEICなら600点でOK…ですよ。

他のヨーロッパの大学院でもよくあることなんですが、特にビジネスのコースではTOEICの得点を英語力の指標にすることがよくあり、その要求点は他のテストに比べてはるかに低いです。

この後にSkypeでのインタビューがあるので、英語力が極端に低い場合は後ほど苦しみますが、応募時に高い英語力を必要としないことは、忙しいビジネスマンの方には有利ではないでしょうか。

その他、募集要項や学部の詳細等が気になる方はホームページをのぞいてみてください。

ルクセンブルク大学公式HP-Taught in English
https://wwwen.uni.lu/international/courses_taught_in_english

ビザってどうなの?

それでは最後に、ルクセンブルク渡航のためのビザについて簡単にご紹介します。

ルクセンブルクへの滞在では、3ヶ月まではビザなしでの滞在が可能です。しかしながらシェンゲン協定国間の取り決めがあるので、他のヨーロッパの国にも続けて滞在する予定がある方は、ヨーロッパでの総滞在期間に注意が必要です。

ルクセンブルク大学での就学予定者は、学生ビザを取得します。このビザでは限られた時間ではあるものの、就労が認められています。

ルクセンブルク入国のためのビザ申請で気をつけたいのは、入国後の手続きです。
入国後、3営業日以内に到着届出を提出する必要があります。また、健康診断の受診等も現地で行うため、渡航前に入念に調べておく必要がありそうですね。

ルクセンブルク滞在制度-ルクセンブルク移民局
https://www.lu.emb-japan.go.jp/files/000227208.pdf

まとめ

ルクセンブルク、特に大学についてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。

ヨーロッパには多くの大学があり、修士コースも充実していますが、ルクセンブルクはその魅力的な土地柄も含め、ぜひ候補に入れていただきたい場所です。

迷ったら一度、徹底的に調べてみましょう!