こんにちは。
シリーズでお伝えしているフランス大学院(英語コース)受験についてのお話ですが、第2回は大学院の募集要項、難易度についてです。
英語のスコア提出の部分はもちろん、それ以外で課される試験等について今回は解説していきます。
なお、本稿はMasterコース受験を目標にした内容になっておりますので、MBA受験を決めた方は補足としてご覧いただければと思います。
もくじ
そも、フランスの大学院への入学は難しいのか
フランスの大学院の受験難易度について、体感も含め話していきます。
大学院は基本的には日本の大学受験と同じく、ランキングでの順位が高い=質が良い教育が受けられるとして、人気と共に難易度や学費も上がっていく傾向にあります。
世界の大学ランキングについては最新のものをまとめておりますので見てみてください。
これを見るとわかりますが、総合評価でいくとフランスの大学のレベルはお世辞にも高いとは言えません。
しかしながらこれはあくまで総合評価ですので、特定の分野に限るとまた変わってきます。
例えば、マーケティング。こちらもランキングをまとめています。
https://nichexperience.com/uniramkings-marketing/
これを見ると分かるように、マーケティングはヨーロッパを中心にフランスも大健闘しています。
1位のHECビジネススクールは近年MBAコースも高い評価を受け、ランキングで10位以内に入るほどの名門校です。
フランス大学院の難易度
それでは、フランスの大学院は入学が難しいのか?
というところです。
結論から言うと、難しくはありません。
しかしながら、これはMBAとMasterでは全く様相が変わってきます。
例えばHEC、ESSEC、EDHECなどのフランスのトップMBA校はもちろん難易度もそれなりに高いです。
これはもう順位相当というところで、実際に合格率をみても、特にHECは20%程度という話もあり、英米の最上位校と遜色ない数字です。
それに比べ、Masterについては、体感では結構な確率で合格してるんじゃないかと感じました。
私が受験したのはKEDGE Business SchoolとMontpelier Business SchoolのMasterコースですが、結果的には両方合格しました。ですが、別に経歴が優れているわけではないですし、英語力もIELTS6.0、TOEIC825点とひどいぐらいのレベルです。
両校とも、希望していたマーケティングの分野ではランキングで世界TOP50に入る優秀な学校です。
MBAとMasterの難易度の違い
それでは、MBAとMasterでなぜこれだけ異なるのでしょうか。
Masterコースは純粋に、日本からの受験者が圧倒的に少ないことが大きな要因です。
各校とも近年は生徒の多様性がランキングに反映されることから、可能な範囲で幅広いバックグラウンドを持つ生徒を取りたがります。
私が合格した学校は両方とも外国人比率が30〜40%近くで、半数以上はフランス人です。
当然、日本人の合格者は他にいませんでした。
要は、みんなが知っているか知らないか、というところです。
Masterはまだまだその価値が日本では認められにくいことから、知名度は圧倒的に低いですが、ビジネスの特定の分野のプロになることは、MBAのようにジェネラリストになるより、就職も楽です。
合格には何が必要なのか
Masterコースにおける合否を最も大きく左右するのは、明記された募集要件を満たしているか、というところです。
MBAに比べ、Masterコースの募集要項は必要事項がかなり明確です。
必要な経験、英語力等が自分とマッチしているかが一目瞭然なので、受験のミスマッチも少なくてすみます。
そういった意味でも、Masterコースの受験の難易度はみなさんが想像するよりずっと低いと言えます。
フランスの大学院の学費について
フランスの大学院の難易度と共に知っておきたいのが、学費です。
学費は経済的な難易度にも繋がります。笑
フランスの大学院の多くは、年間100万円から250万円程度に収まっています。
MBAはここからさらに数百万円となっていきますので、感覚的にはだいたい半額といったところでしょうか。
MBA人気が学費の高騰につながっていることに加え、フランスMBAの競争相手はアメリカなどになりますので、そこに学費を合わせていくことも理由かもしれません。
いずれにせよ、経済的な理由でMBAを悩んでいる方にとっては朗報になりそうです。
フランスのMasterコース受験に求められるもの
では、具体的な募集要項として求められるものは何なのか?というところについて話を進めていきます。
フランスの大学院受験で求められる、主なものは以下のとおりとなります。
・英語力に関する試験結果
・CV(履歴書)
・Motivation Seat(志望動機書)
・専攻の理解度や関心を測る課題(学校による)
・インタビュー(面接)
・大学の卒業証明書
・ID(パスポートのコピー等)
証明書、IDはただ提出するだけですので、この二つを除いた4点について詳しく見ていきます。
英語力に関する試験結果
フランスの大学院では主に、IELTSのスコアが英語力の証明として使われます。
TOEFLについても多くの学校で採用されていますので、どちらかを選んだことによって選択肢が狭まることはほとんどないはずです。
しかも、フランスの大学院は英語力をそれほど要求されないのが大きな特徴です。
イギリスの大学院はIELTSで6.5~7.5が求められるのに対し、フランスは6.0~最上位校で7.0と、差があります。
これも、フランスの大学院を受験する魅力の一つです。
また、特にビジネスに関する専攻を受験する場合は、TOEICのスコアで良い場合がかなりあります。
実際、私が受けた2校は共にTOEICのスコアで受験が可能でした。
しかも、点数のハードルが非常に低いのが特徴です。
例えば、KEDGE Business Schoolのマーケティング専攻は世界でも25位にランクインする優良な学部です。IELTSで6.0あれば受験可能ですが(それだけでもかなりありがたい・・・)、TOEICは785点が必要点です。・・・これはすごい。
実際、785点を超えた時の私の英語力は散々たるものでした。笑
もちろん、入学後に苦しむのは自分ですが、入学すらできないのでは話にならないです。
ということで、本当はブログで公開したくないんですが、フランスの大学院はマジでずるいくらいに超穴場だと思います。
CV(履歴書)
続いて、CV(履歴書)です。
これはフランスに限らずどこでも必要になるものですので、早めに用意しておいた方が良いでしょう。
海外の履歴書には決まったフォーマットはないので、適当にネットで探したものでも問題ありません。
細かな記入の仕方等については、次回書いていこうと思います。
Motivation Sheet(志望動機書)
これは学校によって求められる場合があります。
形式も、自分で作成するタイプだったり、受験者登録の際に必要事項として記載したりと、やり方は様々です。
内容で意識して欲しいのは、一貫性を持った文章にすることです。
フランス人は特に、幼い頃からエッセイなどを書き慣れているため、文章の論理性や一貫性について厳しいです。
どういった背景、経験があったから志望したのか、どのように将来につなげていくか、などのポイントは必ず筋が通ったものになるよう、何度も確認しましょう。
専攻の理解度や関心を測る課題(学校による)
これも学校次第にはなりますが、KEDGEの場合は書類審査を通過した後に、面接までの1週間でマーケティングの課題が出されました。
既に退職していたため、十分時間を取って提出することが可能でしたが、このようなこともあることをきちんと頭に入れておきましょう。
書類審査前は学校に問い合わせても漠然とした答えしか返ってこなかったりするので、気をつけてください。
インタビュー(面接)
そして一番やっかいなのが、このインタビュー(面接)です。
私の場合は20分ほど時間をとって、志望動機や興味のあること、前職についてなどを聞かれました。
基本はスカイプなどのビデオ通話で行われます。
学校によってはビジネススーツの着用が求められるなど、結構な緊張感です。
このインタビューの対策についても、次回詳しくお伝えしていこうと思いますが、とにかく英語の面接になりますので準備は入念に、本番はカンペではなく自分の言葉で話せるように、いろいろと想定しておきましょう。
まとめ
今回はフランスの大学院の受験難易度と募集要項についてお伝えしていきました。
結論から言うなれば、フランスの大学院、Masterコースは本当に穴場です。
質の高い教育が受けられるのに、MBAより遥かに安価で難易度も低い、こんなことがあっていいのかって感じです。
次回は、フランス大学院の受験対策について書いています。