こんにちは。
近年はスキルアップのためにMBA取得を目指す方が非常に増えてきています。
しかしながら、MBAの授業内容が本当に自分の今後のキャリアに合っているのか・・・と不安になることも多いのではないでしょうか。
特に海外では、MBAだけではなくMaster(修士コース、マスターコース)も充実しており、キャリア次第で選び方も変わってきます。
そこで今回は、MBAとMasterの選択について、様々な側面から徹底解説していきます。
もくじ
MBAとMasterの違い
まずは前段のお話として、MBAとMasterの特徴について説明し、その違いについて考えていきたいと思います。
私の話だけすると、最終的にMasterを選択しました。(本当の最終的な話をすると、渡航1ヶ月前に入学辞退したんですが・・・)
そこで経験則も踏まえ、両者の違いも考えていきます。
そもそも、MBAとは。
実は意外にちゃんと分かっていなかったりするので、改めてMBAについて整理していきましょう。
MBAとは、Master of Business Administration(経営学修士)の略です。
要するに、MBAも修士の科目の一環であり、内容が経営学である、というだけで、学位的にどちらが上とかっていう概念は存在しません。
外資系企業への就職の際には確かにMBA取得が重視される場合もありますが、本質からいけば、経営に携わらない場合はMBAが最適な選択とは限らないわけです。
MBAの学習内容はビジネスの包括的な内容です。
マーケティング、マネジメント、会計、財務、人事、経営戦略など、会社運営に必要な知識を広く浅く勉強し、多くのケーススタディをこなして判断力を養い、プレゼンテーションをして実戦での力をつけていくイメージです。
自分の今後のキャリアをイメージした時に、こういった力が必要なのか、考えてみる必要があります。
じゃあ、Masterはどうなのか。
ではMasterがなんなのか?というお話ですが、基本的な考え方としてはその道のプロになるイメージです。
例えばMSc(Master of Science)のマーケティング専攻であれば、1年あるいは2年かけてマーケティングをみっちり勉強します。
ただ、内容はマーケティングをメインにしつつも、それに関連するある程度のビジネス分野についても受講することになります。
また、選択制で財務やマネージメントを受講できる場合も結構多いです。ですので、マーケティングしか学ばない、というわけでもありません。
カリキュラムの中にはもちろん、座学のみではなくプレゼンテーションなどのアウトプットも豊富に含まれていますので、そこはMBAと同様かもしれません。
Masterの場合は、卒業後にそれに関連した仕事を中心に探していくことになります。
ちなみに、学校ごとに得意分野の特色があります。
マーケティングに限って言うと、(私の専門がマーケティングだったのでマーケティングの話ばかりになります、すみません・・・)超一流校を除けばアメリカの大学よりもヨーロッパの大学の方がレベルが高く、世間的な評価も高かったりします。
このあたりがMasterコースの主な特徴になります。
MBAとMaster主な違いは?
①応募要件
Masterコースでは学校によってはその分野の経験が応募要件となっている場合があります。
例えばマーケティングなら、大学時代の専攻がそれに準ずるもの、もしくはマーケティング分野における仕事の経験が必要になることがあります。
一方、MBAでは大学時代や就業経験において、特に指定されない場合が多いですが、就業年数が一定以上(5年以上、など)等の条件が必要な場合があります。
さらに、MBAでは入学時にGMATと呼ばれる英語の一般教養テストのスコア提出が必要になります。GMATの対策はなかなか時間を費やす必要があるため、MBAとMasterの両方に決めかねたまま進める難しさはここにあると感じます。
②年齢層
生徒の年齢もMBAの方が高くなる傾向があります。MBAの場合は、経営全般が主な内容になることから、既に管理職になっている30代〜40代が割と多いです。
Masterの場合は大学からそのまま進学してきたり、2,3年就業経験を積んで入学してくるなど、20代の人が多めです。
③金額
金銭面でも大きな違いがあります。
MBAはやはり結構な額になります。学校によっては学費だけで800万円とか1,000万円とか、ということもあり得ますので、誰でも挑戦できるものではないですね。
Masterも学校次第ですが、100万円以下もありますし、高くても500万円は超えない印象です。また、各分野のトップに位置する学校でも、学校によっては200万円程度で収まるなど、費用が抑えられるのも特徴です。
どうやって選ぶべきなのか
それではここからは、実際の選び方について考えていきたいと思います。
特に社会人の方がイメージするMBAとは、スキルアップやキャリアアップに役立つ称号のようなもの、という感じではないでしょうか。
前述しましたが、現代においてMBAが問答無用で強い力を発揮するのは、超一流のTOP20以内の学校が主になります。
このクラスの学校であれば、自分の優秀さをアピールするのは容易でしょう。
しかし、そういった学校への入学は非常に狭き門です。
私は、経済的にも能力的にも選ばれし者が行くところだと思っています。そういう学校を狙える力のある方はそもそも迷わないと思うので、割愛します。
ということで、ここでお話しするMBAは、超一流校を除く大学として考えていきます。
大前提はキャリアプランに当てはめて考える
まずお伝えしたいのは、キャリアプラン次第で選び方は全く違う、ということです。いくつかモデルケースを用意しました。
-経営者を目指したい
将来起業を目指す上で大学院進学を検討している場合は、基本的にはMBAをオススメします。経営に必要な知識を総合的に高いレベルで学べることや、そういう人の集まりの中に繋がりができることは大きな利点になります。
しかし一方、あまり知られていませんが、Masterコースには起業家精神やイノベーションに関するコースが世界中でも多数開講されています。経理や財務を勉強するより、アイデアのブラッシュアップを続けたい!という人は、そういった方向も考えてみてください。
また、特定の分野で起業したい!という方は、Masterで知識を増やすのも素晴らしい選択になります。同じ業界に人脈ができるという意味でも、有利に働くことは間違いありません。
-現在の職場でキャリアアップしたい
現在の職場でのキャリアアップを目指す方についても、最終目標が経営層や戦略関係であれば、会社全体の知識が得られるMBAが第一候補ですが、ある分野のプロフェッショナルになりたいなら絶対にMasterがオススメです。
-転職活動に活かしたい
転職活動に活かしたい方も考え方は基本同じですが、全く異なる業務に取り組んでみたい方は、その分野のMasterコースを選ぶことが大きな近道になることがあります。近年はインターンシップをカリキュラムに組み込むことも多く。実践経験も積めて一石二鳥、なんて場合もあります。
キャリアプランなんか決まってない。勉強したいんだ。という場合
実は、こういう方って多いんじゃないでしょうか。ビジネスの世界ではもっともらしい理由をつけるのが筋ですが、自分の将来くらい、漠然とした希望で進めてもいいと、私は思います。仕事やめて大学院行ったって死にはしません。学位だってもらえますし、人脈もできます。
特に海外の大学院進学では、事前に英語力の準備をする方も多いと思います。その時間にゆっくり考えるのもいいでしょう。
ただ、Masterの場合は学ぶ内容が絞られるため、出願時には自分の専門を何にするか、決めておく必要があります。
あまりにも自分が決めかねている場合は一旦MBAの方向で進めつつ、Masterで興味のあるコースを調べていくのが最善かもしれません。
Masterのお話をもう少し。
すでに多くの方が「MBAとはなんたるか」について書いているので、私からはMasterについてもう少しお伝えします。
Masterは一般的な内容だけではなく、Tourism ManagementやFashion Marketing、Logistic and Supply Chain、はたまたCreative Industries Managementなど、非常に細かく絞ったコースがあることも知っておいて欲しいです。
こうした狭くも深い知識を蓄えられるのがMasterの強みであり、自分が興味がある分野が、業界でもいいのでなんとなく決まっている方には本当にMasterをオススメします。
なぜなら、同業界の強いコネクションができたり、インターンの経験を通して海外就職の大きなアドバンテージになったり、その分野での起業がしやすくなるからです。
こうしたメリットを受けるためにも、自己分析を進めて自分の進みたい分野を早めに決めるのが一番かと思います。
まとめ
いろいろと書いてきましたが、結局は選び方というのもあくまであなたの選択の手助けにすぎません。
自分でこの記事を書いておいて言うのもなんですが、数百万円かかるような意思決定を、他人が作った指標に委ねるのは無理な話です。
これは他のブログを参照する場合も同じです。
結局は、キャリアプランの構築や自己分析が何より大事になると思います。私も受験前はハゲるほど「お前は何したいんだ?」「何が人生の目標なんだ?」と一日中問い続けてました。
その上で、自分のやりたいことに照らし合わせ、どのみちに進むか改めて考えてみてください。