2020年9月に、イギリスの本社を置く世界的権威のランキング会社、QS(Quacquarelli Symonds)が今年度の世界MBAランキングを発表しました。
海外MBA進学を考えている方にとっては、志望校を選ぶ上で大切な指標になるかと思います。
今回は、同ランキングから50位までを一挙に紹介します。
この記事だけでMBAの留学先をきっちり検討できるはずです。
もくじ
ランキングの評価方法
まず、ランキングの評価方法について紹介します。
QSのランキングは以下の5点の評価基準に点数が付けられ、総合評価で順位が設定されています。
・Employability
雇用者からみた能力・・・40%
【内訳】
-雇用者からの卒業生の評価…35.0%
-就職率…5.0%
・Return on Investment
MBA取得による収入的、職業的なリターンの質・・・20%
【内訳】
-10年間における上記項目の評価…15.0%
-卒業後3ヶ月以内の就職率…5.0%
・Entrepreneurship & Alumni outcomes
卒業生の起業や社会的な成功の度合い・・・15%
【内訳】
-卒業生の成功度…10.0%
-卒業生の起業の評価…5.0%
※上記は60,000人以上の世界各国の企業の代表、役員等からの評価を基にする
・Thought Leadership
レポート等の学術分野におけるスクールの影響力・・・15%
【内訳】
-学術的評価(引用された論文数等)…10.0%
-研究内容の影響力…2.5%
-博士号を持つ教員の数及び質…2.5%
・Class and faculty diversity
教員・生徒に関する性別と国籍の多様度・・・10%
【内訳】
-生徒の性別の割合…2.5%
-教員の性別の割合…2.5%
-生徒の国籍の多様度…2.5%
-教員のの国籍の多様度…2.5%
※性別については割合が50%に近いほど高い評価
評価方法の詳細はQS公式サイトに掲載されています。
QS-Global Rankings Methodology
また、この記事の最後に公式サイトのリンクも掲載しています。
各校の評価項目ごとの評価点も載ってますので、狙っている学校を絞りたい方は、自分が学校に何を求めるのか?を考えながら、
そちらも見てみてください。
それでは、ランキングです。
ランキング
ランキングに入った各校のHPを掲載していますので、気になる学校はHPをご覧になってみてください。
募集要項や応募に必要な書類等の情報もHPで得られます。
1. スタンフォード大学経営大学院(アメリカ)
https://www.gsb.stanford.edu
2. ウォートン・スクール(ペンシルベニア大学)(アメリカ)
https://www.wharton.upenn.edu
3. MITスローン(マサチューセッツ工科大学)(アメリカ)
https://mitsloan.mit.edu
4. ハーバード・ビジネススクール(アメリカ)
https://www.hbs.edu/Pages/default.aspx
5. HECビジネススクール(フランス)
https://www.hec.edu/en
6. INSEAD (フランス・シンガポール)
https://www.insead.edu
7. ロンドン・ビジネススクール(イギリス)
https://www.london.edu
8. コロンビア大学ビジネススクール(アメリカ)
https://www8.gsb.columbia.edu
9. IEビジネススクール(スペイン)
https://www.ie.edu/business-school/
10. ハース・スクール・オブ・マネジメント(UCバークレー)(アメリカ)
https://haas.berkeley.edu
11. シカゴ大学ブース・スクール・オブ・マネジメント(アメリカ)
https://www.chicagobooth.edu
同11. IESE(スペイン)
https://www.iese.edu
13. ESADE(スペイン)
https://www.esade.edu/en/
14. ケロッグ・スクール(ノースウェスタン大学)(アメリカ)
https://www.kellogg.northwestern.edu
15. UCLAアンダーソン・マネジメントスクール(アメリカ)
https://www.anderson.ucla.edu
16. サイード・ビジネススクール(オックスフォード大学)(イギリス)
https://www.sbs.ox.ac.uk
17. ケンブリッジ・ジャッジ・ビジネススクール(イギリス)
https://www.jbs.cam.ac.uk/home/
同17. イェール大学マネジメントスクール(アメリカ)
https://som.yale.edu
19.ニューヨーク大学スターンスクール(アメリカ)
https://www.stern.nyu.edu
20. ロス・ビジネススクール(ミシガン大学)(アメリカ)
https://michiganross.umich.edu
21. フューカ・ビジネススクール(デューク大学)(アメリカ)
https://www.fuqua.duke.edu
22. インペリアルカレッジ・ビジネススクール(イギリス)
https://www.imperial.ac.uk/business-school/
23. ボッコーニ経営大学院(イタリア)
https://www.sdabocconi.it/en/home
24. コペンハーゲン大学ビジネススクール(デンマーク)
https://www.cbs.dk/en
25. 国際経営開発研究所(スイス)
https://www.imd.org
26. メルボルン大学ビジネススクール(オーストラリア)
https://mbs.edu/home
27. ESSECビジネススクール(フランス、シンガポール)
https://www.essec.edu/en/mbas/
28. NUSビジネススクール(シンガポール国立大学)(シンガポール)
https://mba.nus.edu.sg/#
29. ロッテルダム経営大学院(エラスムス大学)(オランダ)
https://www.rsm.nl
30. 南洋理工大学ビジネススクール(シンガポール)
https://nbs.ntu.edu.sg/Programmes/Graduate/NanyangMBA/Pages/Home.aspx
同30. マーシャル経営大学院(南カリフォルニア大学)(アメリカ)
https://www.marshall.usc.edu
32. ジョンソン・マネジメントスクール(コーネル大学)(アメリカ)
https://www.johnson.cornell.edu
33. ケストロムビジネススクール(ボストン大学)(アメリカ)
http://www.bu.edu/questrom/
34. ウォーリック・ビジネススクール(イギリス)
https://www.wbs.ac.uk
35. 中欧国際工商学院(中国)
https://www.ceibs.edu
36. マコームズ・スクール・オブ・ビジネス(テキサス大学)(アメリカ)
https://www.mccombs.utexas.edu/MBA
37. テッパー・スクール・オブ・ビジネス(カーネギーメロン大学)(アメリカ)
https://www.cmu.edu/tepper/
38. ケリービジネススクール(インディアナ大学)(アメリカ)
https://kelley.iu.edu
39. マンハイム・ビジネススクール(ドイツ)
https://www.mannheim-business-school.com/en/
40. EDHECビジネススクール(フランス)
https://www.edhec.edu/en
41. UNSWビジネススクール(オーストラリア)
https://www.business.unsw.edu.au/agsm
42. フランクフルト・スクール・オブ・ファイナンスアンドマネジメント(ドイツ)
https://www.frankfurt-school.de/en/home/programmes/mba/full-time
43. 香港科技大学ビジネススクール(香港)
https://www.mba.ust.hk/ftmba
同43. 香港大学ビジネススクール(香港)
https://www.fbe.hku.hk/mba/
☆45. トロント大学ロトマンビジネススクール(カナダ)
https://www.rotman.utoronto.ca
☆46. EGADEビジネススクール(メキシコ)
https://egade.tec.mx/en
☆47. ESCPビジネススクール(フランス・イギリス)
https://escp.eu
48. アライアンス・マンチェスタービジネススクール(イギリス)
https://www.alliancembs.manchester.ac.uk
49. タック・スクール・オブ・ビジネス(ダートマス大学)(アメリカ)
https://www.tuck.dartmouth.edu/mba
50. IIMアーメダバード(インド)
https://www.iima.ac.in/web/iima
以上が上位50校です。
☆マークが付いている学校は、昨年は50位以内にランクインしていなかった学校です。
なお、2019年版ランキングでは50位以内に入っていた大学は以下のとおりです。
(2019年)44. インド経営大学院(IIM)(インド)
https://www.iimb.ac.in/programmes/pgp
(2019年)47. ザンクト・ガレン大学ビジネススクール(スイス)
https://www.mba.unisg.ch
(2019年)49. マクドノウビジネススクール(ジョージタウン大学)(アメリカ)
https://msb.georgetown.edu/mba/
なぜQSのランキングを参考とするのか
それでは、このランキングの補足事項です。
ぱっと見でランキングの信憑性が感じられない方は特に参照していただきたいと思います。
MBAランキングについては、多くの新聞社や格付け機関が毎年独自の評価方法で発表を行っていますが、私はQSのランキングが最も信頼のおけるものだと思っています。
QSを生んだイギリスは、航空業界の格付けの権威、SKYTRAXを始めとした多くの格付け会社がひしめく、言わばランキング大国です。
QSは、イギリスの老舗新聞社のTIMESがもともと行っていた「THE」という大学ランキングに賛同しないメンバーで作られた、「Quacquarelli Symonds」という会社が発表しているランキングです。
私がQSのランキングが最も信頼がおけると考える理由は二つあります。
1. MBAだけではない高等教育機関の評価のプロである
一つは、このQuacquarelli Symondsが、MBAランキングだけでなく様々な視点から高等教育機関のランキング作成を行なっている点です。
総合大学ランキングはもちろん、経済学、心理学、マーケティングなどの専攻ごとの大学ランキングも行っており、需要の高いMBAに留まらない、高等教育機関の評価に定評があります。
マーケティングの大学院、ビジネススクールのランキングもまとめていますので、興味があればこちらもどうぞ。
https://nichexperience.com/uniramkings-marketing/
また、QSのMBA特集サイトを見ると分かりますが、ランキングだけでなく世界のMBAスクールについてのレポートを発表し、MBAや各スクールの研究の質や量が非常に高いです。
そのため、ランキング入りした学校はMBAだけでなく多くの学部で「QSのランキングで何位だった!!」とHPに書きます。
学校側も、QSのランキングで上位の評価をもらい、それを受験者に良い学校の証として広報しているわけです。
2. 生徒の本当の質を評価している
さて、QSが良質なランキングを提供していると言えるもう一つの理由は、評価基準がMBA受験者に目標に適していることです。
詳しい評価ポイントについては序盤に説明しましたが、QSのランキングの中で最も大きな要素を占めているのが「Employer Reputation(雇用主からの評価)」という項目で、35%の評価はここから算出されます。
他社であると、卒業後の収入や他のスクールからの評価などの基準がメインになっています。
それらに比べ、純粋な収入や施設や授業内容の印象では測れない卒業生の質を見ており、各スクールでどのように成長できるのか?というMBAのパフォーマンスに大きく左右されることになります。
MBAはコストが最もかかる高等教育の一つであり、(一部の資金に余裕がある方を除けば)成長とのコストパフォーマンスは切っても切り離せない部分です。
そういった意味でも、QSの評価方法はMBAコースの本質的なクオリティをきちんと反映しているものと言えます。
まとめ
いかがでしょうか。
最上位校はよく知られた学校ばかりですが、意外と知らない学校も上位に入ってきているのではないでしょうか。
海外MBAというとアメリカやイギリスに絞ってしまいがちですが、同じ学校でもアジアのキャンパスで受講が可能だったり、フランス、スペイン、スイスなどのまだマイナーな国も選択肢に入ってきます。
ランキングの隅々まで見渡して、受験校の選定に抜かりがないようにしましょう。
今回のランキングに使用したQSのサイトのリンクも掲載しておきますので、51位以降のランキングもぜひご参照ください。
QS Global MBA Rankings 2021
https://www.topuniversities.com/university-rankings/mba-rankings/global/2021